40th Engineering

フリスクのCMをご存知ですか?日常の中にアイデアが降りてくる瞬間を切り取った傑作です。そんな「ピーン」とした瞬間を記録に残したくてブログを始めました。現状ほとんど買い物日記ですが。

無印良品のステンレスユニットシェルフを買う

「海外では、無印良品と言えば衣類。でもブランドの本質は家具にある。無印の家具の価値を世界にどう伝えていくかが鍵になる」と、無印良品で昔働いていた方がおっしゃっていた。その意見、100%アグリーです。外資コンサル風に。
 
無印のイメージは家具がつくっている。あれがあるから、「いや、正直なところユニクロと違うのは広告の打ち出し方だけだよね、、、」と思わずつぶやいてしまう無印の衣類とか、「いや、正直なところスーパーと違うのはパッケージだけだよね、、、」と思わずつぶやいてしまう無印のレトルト食品が、一段上のクオリティーに見えてくる。
 
Appleのデザインが好きな日本人は多いけど、それって無印の家具の価値観と同じ。なんというか、研ぎ澄まされた感じ?本当に研ぎ澄まされているのか、それは識者にお任せしますが、無駄のない感じは伝わってくる。機能美追求。ポルシェ風に言うと、「形態は機能に従う」というやつ?
 
もうちょっと言うと両者ともにコストを下げるのがうまい。貧乏くさくなく簡素化している。
 
昔誰かが(中野翠さんだったか)、「貧乏はいいけど、貧乏くさいのは嫌だ」ってどこかに書いていた。器量の小さい話だなあ、と思うけど、現代的な価値観だと思うし、そこにAppleも無印もうまくはまっている気がする。
 
そして胸を張って言うが、僕も器量が小さい。
 
と書くと、まるで無印家具は器量の小さい人間のために存在するような気がするが、ノン、ノン。そんなことはありません。実際、無印の家具はいい。より正確に言うと、無印のステンレスユニットシェルフは素晴らしい!
 
そう。今日は無印のユニットシェルフを買った話。だいたい1年前。どんなものかイメージがつかない人のために、このブログでは非常に珍しいことですが写真をつけます。こんな感じ。

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いわゆる組み立て式の収納家具。
 
無印の場合、組み立て式はユニット型とスタッキング型に分かれる。ユニット型は金属の支柱を使うタイプ。僕の知る限り、素材以外の仕様をほとんど変えずに20年以上売られているモデル。
 
去年引っ越したのですが、押入れがとても狭いので収納家具が必要になりました。しかし持ち家ではないし、そもそも僕は引っ越しが大好きなので、おそらく数年先には別の場所に住む。小学生の子どもがいるので学区は変えないけど。
 
そんな人生なので、できればバラして気軽にセッティングできるほうがいい。しっかりした家具も嫌いではないんだけど。
 
そこで無印良品のユニットシェルフというわけ。
 
実は過去に使っていたことがある。社会人になりたての頃。ケチって背面につけるクロスバーを買わなかったので、常にグラグラしてた。
 
それなりに愛用していたけど、その後結婚して住んだところが作り付けの食器棚がおいてあるアパートだったので、そこで一旦お役御免。グラグラしてたし。
 
それ以来、ときどきパンフレットなんかを眺めては「やっぱええなー」と思ってた。そんなふうに10年が過ぎ、この度めでたく再会の運びとなったわけです。
 
家具には一家言あるうちの奥様もこれならOK。さっそく有楽町の無印店舗に向かう。噂には聞いていたがメチャクチャでかい。人もワチャワチャしていて外国人も多い。ちょっとした観光スポットになっているのかもしれない。
 
家具コーナーに行くと、ずらりとユニットシェルフが並んでいる。並んでいるというのがポイントで、一体だけだと正直そこまでかっこいいとは思わない。しかし壁一面に二つ、三つ連なってくると、その価値も二乗、三乗。そんなアイテムなのだ。
 
すでに構成は頭の中で何度も何度もイメクラ並みにイメトレ済み。棚板は一番安いタモ材。支柱はお高くなってしまうがピカピカのステンレスで行く!
 
と、ここで問題発生。タモが見当たらない。え、無印といえばタモじゃないの?野球のバットくらいしか使い道がないと思ってたタモを家具にも使えるんだ!ってびっくりさせたのは無印ではなかったの?
 
タモは?タモは?ゲシュタルト崩壊するレベルで、タモ!タモ!タモ!
 
店員さんに聞いてみる。あまりよくわかっていない(経験的に無印の店員さんって結構こういう人が多い。いい人たちだけどよくわかってない。無印ではすごくマニュアルを大切にしているという本を昔読んだことがあるのだが、ほんとかね、って思う)。ただ、どうもタモの棚は廃盤か廃盤に近い状態になっているらしい。
 
マジか!!一番安いタモが欲しかったのに!!
 
注文すればまだ買うこともできるようだったが、今後入手できなくなってお揃いにならなくなるのは嫌だ。
 
そんなわけで計画の練り直し。選択肢はオークかウォールナット。どちらもタモに比べればだいぶ高い。
 
うーん、オークとかウォールナットって響きはカッコいいけどさ、、、、。
 
結局突き板じゃんかーこれ。化粧板の木のクオリティを誇られたところで、正直あまり価値は感じない。しかしどちらかを選ばなければいけない。どうしよう。
 
ウォールナットにしました。ダークブラウンは部屋を暗くするかなとも思ったが、オークだとタモとそんなに色がかわらないくせに高いという一点で却下。
 
スチールとかステンレスの棚という手もあるが、支柱がステンレスというのは譲れない条件だったのでスチールは却下。
 
かといって支柱から棚までオールステンレスというのもギラギラすぎて却下。
 
ステンレス支柱。ウォールナット棚。そんなセットを3つ買った。壁一面が無印良品のユニットシェルフで埋まることになる。
 
そしてこの際だからと、無印といえばこれ!のラタンのカゴも一揃い。意外と高いんだけど。
 
カタログなんかだと棚の意味あるのってぐらい何も乗っけてない。スカスカにしておしゃれ感を醸し出しているわけだけど、そんな常識は僕には通用しない。とことん詰める。だって棚なんだから。
 
けど、、、やっぱり僕だってオッシャレ~と言われたい。その折衷案がラタンのカゴなわけです。
 
それから1年。レビューというほどでもないんだけど、やっぱりこれは名作だと思う。部屋をなんとなくなんとかしてくれる。ちょっと「お、いいかも」という感じがする。
 
無印良品週間は利用したものの、3セットも買うとさすがにうろたえるレベルでお金が出ていった。ただ、これはおそらく一生使えるからまあいいだろう。このシリーズは無印が存在する限り残る気がするし、パーツにも困らない。自信を持ってオススメできる一品です。(無印の回し者ではありません)
 
ただ、もしこのレビューを見て、「いいかも」と思った人がいらっしゃったら、合わせてぜひ伝えたいのはその重さ。  
 
まあ無印のが特別重いわけではないんだけど、金属支柱、木製棚となればやっぱりこれは結構重い。これも無印の名作であるパルプボードボックスなんかとはベースの重さがぜんぜん違うことはしっかり伝えておきたい。
 
何が言いたいかというと地震です。うちは3人子どもがいるので余計敏感になるわけだが、この棚が倒れてきたら、結構な怪我をすると思う。当たりどころが悪ければ死に至るレベルで。
 
繰り返しになるけれど、無印のシェルフ特有ということでは全くありません。そういうことが言いたいのではなく、家具はしっかり固定しておきましょうということ。棚だけでなく。冷蔵庫だってピアノだって。
 
賃貸で暮らしていると壁に穴を開けづらいというのはすごくよくわかる。だけど死ぬのとどっちがいいの、と言われたら100%の人が同じ答えを出すだろう。
 
実際賃貸の壁って石膏ボードの部分も多いから、ネジで固定しても、。というところは正直ある。大きなのがガツンと来たら、一発ででかい穴があいて、やっぱり倒れると思う。
 
ただ、倒れるのが一瞬でも遅れれば、未来が変わる可能性が出てくる。我が家はガムロック貼りまくり。あと、棚どころか何一つ家具を置かない部屋を一つつくってて、遊びはそこで。夜はその部屋でみんなで川の字。
 
最後は防災提案になってしまった。
 
このブログを読んで無印のシェルフほしー、と思ってくれたらとてもうれしい。でもそれ以上にうれしいのは防災対策をしてくれること。特に子どものいるご家庭。
 
決して完璧を目指さなくてよいのです。そう考えるとなかなか手が動かなくなるから。先月よりは今月のほうが少しだけ安全に。コツコツいきましょう。