40th Engineering

フリスクのCMをご存知ですか?日常の中にアイデアが降りてくる瞬間を切り取った傑作です。そんな「ピーン」とした瞬間を記録に残したくてブログを始めました。現状ほとんど買い物日記ですが。

グローバーオールのダッフルコート(575:モンティ)を買う

もう40代なんだから40代っぽい着こなしをしよう、というのがこのブログの裏テーマなわけですが、我ながら大学生っぽいなと思いながら、どうしても諦められない服がある。ダッフルコート。
 
いや、ダッフルコートを大人っぽく着こなせるおじさんたちがいることは知っている。しかしそういうのはファッション誌の中だけでの出来事で、現実世界においては非常に稀。一冬に一回か二回お目にかかれるかどうか。そんな貴重な人材に僕がなれるのか。なれない。しかし諦められない。
 
我ながらなぜここまでダッフルコートに執着するのかよくわからない。もしかしたら学生の頃、村上春樹が好きだったからかもしれない。うろ覚えですが村上春樹といえばダッフルコートですよね。青春時代に身についた好き嫌いというのは歳をとっても変わらないな、と41歳の今つくづく思うわけです。
 
そしてダッフルコートといえばグローバーオール。これもまた譲れない。なんでダッフルコートを着るかといえばイギリスっぽくしたいからで、Made in Englandにこだわりたい。しかし、それゆえにグローバーオールは高い。メイドインチャイナを見慣れた目にはメチャ高く見える。僕は仕事で少し縫製業界に携わっているので、日本と同様の物価の国で縫製していたらそりゃあ高いだろうということはわかる。しかしまあ、、、平行輸入モノとの価格差はなんとかならんのかという気もするが。
 
グローバーオールの定番モデルといえば512、もしくはそれを日本人向けにアレンジした920(とえらそうに書いていますが、この記事を書くために調べました)。いわゆる英国紳士のダッフルコート。
 
僕も学生時代から社会人8年目くらいまで、おそらく512と思われるものを三着続けて着ていたが、いずれも古着。新品は高くてとても手が出なかった。メルトンって何回かクリーニングするとどうしても毛羽立ってくる。それがいいという人もいるだろうが、僕はそれなら最初から古着で買おうと考えていた。だって高いんだもの、、、。
 
しかし30歳を過ぎてよれよれのダッフルコートを着ていると、なんというかいろいろな意味でヤバい。正直僕はヤバくてもまったく問題ないし、僕の奥さんも気にしない人なのだが、もう若くはないという事実を受け入れないのはカッコ悪いとも思っているので、この10年ほど、ダッフルコートは所有していなかった。
 
1年ほど前、デパートをカミさんとふらふらしていると、ちょっと若者向けの店でグローバーオールのダッフルコートがセールに出ていた。どうせ10%とかせいぜい20%OFFだろ、それでも買えないよ、なんて思いながら値札を見ると50%オフ。マジか!!
 
常々申し上げているように僕の信念は「セールでは買うな」なんだけど、そんな信念、心の底からどうでもよくなった。だって新品のグローバーオールが3万円代で買えるんですよ!!!
 
しかしこの店に並んでいるグローバーオール、僕の知っているグローバーオールとはちょっと違う。デパートに入っているからパチモンということはないだろうが、、、。手持ち無沙汰にしているカミさんを横目にいそいそと検索。ふーん、575、通称モンティと呼ばれるモデルなのか、、、。
 
トグルが水牛角ではなく木製で、ロング丈だが3つしかついていない。裏地もなし。なんというか、かなりカジュアル。だから若者向けの店に置いてあるんだろう。さすがに40歳の男にはカジュアルすぎるか、、、。
 
ご察しの通り僕は服の細かいディティールに詳しいわけではないが、ダッフルはもともと海軍用のコートで、由緒正しいのは水牛ではなく木のトグル(浮き代わりになるので。本当か?)だという話をどこかで読んだことがあった。もう少し検索してみると、ビンゴ!!この575は、ある意味よりクラシックなスタイルということらしい。
 
クラシックと言われると、おっさんが着てもいいか、という気になってくる。カミさんに聞くと、まあいいんじゃないの、という表情。タイミングよく20代半ばぐらいの店員さんが満面の笑みで近づいてきて、「グローバーオールのダッフルがこんなに値下がりすることはまずないですよねー。僕も一着ほしいくらいでー」と。そうそう、そうだよね。じゃあちょっと試着してみようかな。
 
しかしここで問題発生。目の前に並んでいるのは2色。しかし僕が当然こっちだろうと思っていたネイビーはXXLみたいなサイズしかない!!一応袖を通してみるが、七五三でケチって3年は着られるようなスーツを着せられた子どもみたいになった。
 
「そうなんです、、、やっぱりネイビーは人気で、、、」と悲しそうに語る店員さん。そうだよねー。やっぱりグローバーオールが50%OFFなんてそりゃカラクリあるよねー。
 
「でもこっちの色なら全サイズ、まだあります!」と誇らしげに指さしたのがビビッドなオレンジ!!
 
オレンジか。。。正直に言えば、目の前にキラキラと光るそれはかっこいい。かなりかっこいい。しかし41歳の俺がダッフルのモンティのしかもオレンジなんて着こなせるのか!?しかもけっこうビビッドだし!!
 
うーん、どうしようかなあと悩んでいると、まあとりあえず袖だけでも通してみたら、と店員さん。それもそうよね、、、と通してみる。鏡には見たことのない僕が映っている。カミさんを見るとなんだか笑い噛み殺しているような気がする。こんなの買えるか!!!
 
買った。
 
いや、ビビッドなオレンジ色のコートを着こなせるなんて思ってないよ。さすがにそんな自信に溢れたMens Clubの一員ではないよ。ただ、新品のグローバーオールを買える機会なんてこの先一生ないと思ったら買わないわけにいかなかったんだよ、、、。
 
そんなわけで、ビビッドなオレンジ色のダッフルコートを着てる。正直三日も着たら慣れてしまって別に普通じゃーんと思っている。しかし後で周りに聞くと「ああ、あのオレンジ色の人ですね」みたいな呼ばれようも結構されているみたいで正直複雑。
 
 
 

Saint James (セントジェームス)とORCIVAL(オーシバル)のカットソーを買う

マリンボーダーが似合う顔じゃねーよなー、と思ってきたわけですよ。ずっと。
 
最後にボーダーシャツを着たのはいつだったか。大学生。現在41歳という年齢から想像がつくかもしれませんが、高校・大学時代はこんな僕でもオザケンさんに憧れたりしたわけですよ。ちょっと恥ずかしい過去。今でも曲は大好きなんだけど。「ある光」とかすごい曲だと思う。
 
社会人になってからは、ボーダーなんてなかなか考えづらくなった。顔的に。いや別に特別老け顔ってわけでもないんだけど。フランス系日本人では明らかにない。
 
「そんなの気にしすぎだよー」ってセントジェームスの緑のボーダーカットソーを15年くらい着ている妻が言う。いや、そこまで気にしてないけど、しかし15年ってすごいな。
 
日常的にセントジェームスの耐久性を見せつけられていたので、すげーなと思いつつも、「セントジェームス=ボーダー」のイメージしかなかったから、まあ縁はないと思っていた。ついでに言うと「セントジェームス=着こなしタイト目七分袖」のイメージしかなかったから、やっぱり縁はないなって。僕が七分袖着ていたら、「乾燥機で縮んじゃったんですかー」って言われる。絶対言われる。
 
ところがいつだったか、セントジェームスの無地のカットソーをゆったり着こなしている上品な50歳くらいのおじさんを街で見かけて、僕の凝り固まった先入観が崩れた。ガラガラと。そうか、こういう方法があるのか。
 
代官山にセントジェームスのショップがあるのは知っていたので、渋谷に仕事で行くついでにちょっと寄ってみた。やっぱ無理、とか思っても子ども用に一着買えばいいかなって。駅近の二階、こじんまりした上品な店舗で、店員さんと少しお話しして、薄い茶色のカットソーを買ってみることにした。サイズはT6。買える限り一番大きなサイズを選択。
 
僕は慎重176cm。体重は75kg。ずっとサッカーをしているので、標準体型に比べれば少しがっちりめだが基本はMサイズ。しかし今回は縮むことも見越して大きめのサイズにした。「これなら縮んでも七分袖にはならないですよー」という店員さんの言葉を信じて。子ども用も一枚買って(こっちはばっちりマリンボーダー)、帰宅するとセントジェームス好きの妻はずいぶん喜んでくれた。
 
もうオザケンさんは卒業した41歳の僕だから、セントジェームスのデザインやブランドにそこまで思い入れはない。思い入れがあるのはその耐久性。なにしろ横で15年ものが歩いている。こんな服、他に見たことない。
 
ということで着ましたよ。そして洗いましたよ。ガンガンと。どこまで行けるんだろうってドキワクしながら。そして1年半ぐらいが過ぎて、けっこうボロボロになってきた。
 
あれ?
 
商品批判にならないように先に言っておくと、悪いのは僕のほう。思い当たる節は二つあって、まず2年ほど前にドラム式洗濯機を購入したこと。世間でよく言われるように、やっぱりドラム式って服の劣化が速い。もう一つは普通に寝巻き代わりに使っていたりすること。実際パジャマにちょうどいいんだよね、、、ゆったりして。日々布団の摩擦と戦っているわけで、これはボロボロになるのもやむをえないと思います。
 
いずれにせよ、このペースだと確実に15年はもたない。15年どころか、もうクッタクタな感じ。どうしようかなあと逡巡していたら、奥様が「あなた、そろそろ厳しいのでは、、、」と思ったのか、今度はオーシバルのカットソーを買ってきてくれた。無地のグレー。
 
今でこそセントジェームスとオーシバルってバスクシャツの二大巨頭みたいな扱いになっているけど、僕の学生時代にオーシバルという単語を聞いた記憶はない。フランスでの歴史は古いが、日本で大きく流通してきたのは21世紀に入ってきてからだと思う(間違っていたらごめんなさい)。もうほんとセントジェームスとデザインもサイズ感も生地も左袖のタグも値段も同じって感じで、どっちがどっちだかわからない。ミツバチマークが付いている分、オーシバルのほうが100円くらいお得かも?くらいの違いしかない。
 
僕は商品比較にあまり意味を感じる方ではない。しかしせっかくカミさんが買ってきてくれたんだから、これは比べてみないと!ということで、オーシバル、同じようにガンガン着ましたよ。そして洗いましたよ。寝巻きにもしましたよ。そして1年半が過ぎた。
 
セントジェームスは先に買ったハンデがあるので、同じに見えないのは当然なのだが、購入後1年半くらいの状況を思い出してみると、オーシバルのほうが少し元気な気がする。まだ硬い。
 
とはいえ、まったく同じ着方をしたわけではないので、これが両者の実力かというとかなり怪しいところがある。あとちょっと記憶が曖昧なんだけど、セントジェームスの方は店舗で試着したときに、ボーダーのカットソーと比べて、少し加工が柔らかいなと感じた。確か店員さんも「加工が違ってー」と言っていたような気がする。同じウエッソンでも無地とボーダーで加工が違ったりするんだろうか。
 
いずれにせよ、ドラム式と寝巻き代わりというのはなかなかハードな環境なので、本当に大事にしたい服は、そういう使い方はしないほうがいいと思います。

ブリーフィングの(BRIEFING)のDAY TRIPPER(ショルダーバッグ)を買う

「買う」と書いたが、もう2年使っているのがブリーフィングのデイトリッパー。通勤用に買ったショルダーバッグ。
 
電車通勤しているスーツ好きメンズなら大体同意してくれると思うが、通勤時のバッグってちょっと迷う。
 
ビジネスバッグといえばダレスバッグ。さすがにそれはクラシック過ぎるとしても、革製の手提げ鞄が王道だということに異論はあるまい。とはいえ、TUMIに代表されるナイロンバッグもこの四半世紀で完全に市民権を得たと言える。
 
ともっともらしく書きましたが、要はビジネスといえば手提げ鞄なんだけど、電車通勤だと手が空かなくて困りますよね〜という話。これ本当に困る。スマホなり文庫本なりを片手オンリーで操作するってけっこう大変。座れたり網棚の前に立てたりすれば問題ないのだけど、そう都合よくはいかない。
 
さらに怖いのは満員電車の中で手が下がること。痴漢に間違えられたら困る。僕は昔劇場で「それでも僕はやってない」を鑑賞して以来、痴漢に間違えられることをすごく恐れている。だから常に両手はアップ!しかし手提げ鞄で両手アップは不可能に近い。
 
ということで、ショルダーストラップが付いている手提げ鞄ってけっこう多い。だけど僕はあれがあまり好きではない。論理的に考えればベストなのはわかっているんだけど。これは完全に個人的な趣味の問題。批判するつもりゼロ。
 
とはいえ、痴漢に間違えられるリスクのほうが嫌だ。だからナイロンのショルダーストラップ付き手提げ鞄を買って、普段はそれで通勤していた。特別なときはHERZのダレスバッグ。網棚前を必死に確保。
 
2年ほど前、ナイロン鞄が壊れたことをきっかけに、この問題を真面目に考えることにした。数日考えていつものようにアイデアがピーン。そうだ。ショルダーバックを買おう。
 
手提げ鞄にストラップをつけるという中途半端さに納得がいかないわけなので、初めからショルダーバッグであればなんの問題もない。しかしスーツメンに似合うショルダーバッグなんて存在するのだろうか、、、、。
 
あった。ブリーフィングのデイトリッパー
 
ブリーフィングは前職の退職時にボディバッグ(ななめがけバッグ)を取引先からいただいたことがあって、以来愛用していた。タフなのはわかっている。無骨なルックスも好きだ。メイドインUSAをアピールする日本ブランドというのも嫌いじゃない。僕はメイドインUSAに憧れた最後の世代だと思ってる。
 
そして何よりもそのネーミング!デイトリッパーですよ!!ビートルズですよ!!!もうこの名前だけで買う気満々。・・・まあ実際のところビートルズを意識しているかはわからないけど。本当に日帰り旅行用の鞄というだけなのかもしれないけど。昼間っからトリップとか、そういう話ではないのだろうけど。
 
実際2年ほど使ってみて、確かに日帰り用だなと思う。泊まりは無理。容量はかなり小さめ。財布とカメラとペットボトルとウインドブレーカー。小さめの折りたたみ傘と文庫本。このぐらいを詰め込んで電車に乗るのがぴったりの鞄である。
 
これをビジネスに使っていいものか。この2年間で僕以外に見かけることはなかったが、十分ありだと思ってる。ルックス的には。というのはA4の文書を収納するようなちょっと大きめのリングファイルを入れるのが大変だからだ。入らないことはないがパンパンな感じ。縦の長さが足りない。
 
なので、通勤鞄に容量が必要な人には使えないと思う。とはいえこのデジタル化時代。日常的に文書を持ち運ぶビジネスパーソンは多くないだろう。モバイルPCは収まるし、2年間使っていて困ることはほとんどなかった。
 
そして実際に日帰り旅行にも使っている。別の記事に書いた気がするが、僕はこういう2Wayが大好きで、ビジネスにもプライベートにも使えるこの鞄は相当重宝している。
 
ブリーフィング製品のいいところはなかなかヤレないこと。商品比較サイトではないから他ブランドの名前は出さないが、今まで自分が使ったものの中では一番。いまだにパリッと、というのはさすがに言い過ぎだな、しゃんとしている。雨にも強い。
 
もう一つ気に入っているのはジッパーの動きがいいところ。硬くもなくスカスカでもなく。手の力加減にしっかりついてきてくれる。ジッパーの開け閉めはストレスがかかるところなので重要なポイントなのだ。
 
ポケットやその他の機能性については特筆すべき点はない。
 
お値段は2万円ほど。TUMIがお高いナイロンバッグという相場を作ってくれたせいで、そこまで高くは感じない。とはいえ僕の相場からすれば相当高い。買うときはかなり迷ったが、買ってよかったと思うものの一つだ。あと何年もつか分からないが、もう一度買ってもいいとすら思っている。値段が上がらなければね。

CASIOの腕時計(MDV-106-1AV)を買う

よく失くすものベスト2というのがあって、僕の場合傘と腕時計。この二つは41年間の人生で本当によく失くしてきた。
 
傘は共感してもらえると思う。しかし腕時計を失くすとは一体どういうことのなのか。
 
僕は軽いアトピー持ちで、ずっと時計をつけていると痒くなってしまうのです。だから1日の中で適当につけたり外したりしている。そりゃ失くすよね。
 
はっきり言おう。僕は腕時計が好きだ。ムック本なんかがコンビニで売られているとついつい買ってしまう。だけど今までで一番高かった時計はApple watch 42000円。だって失くすから。
 
できることならジャガールクルトかIWCがほしい。もらえるものなら神様ノーチラスをください。でも僕には一生縁がない。さすがにこのレベルの時計を失くしたら一生立ち直れない。高いものなら失くさないという話もあるが、僕は常識が通用する男ではない。失くす。確実に失くす。
 
まあ日常生活はスマホがあれば事足りるわけで、もうずいぶん長いこと、そうだなあ、10年くらい、腕時計はほぼつけずに過ごしてきた。例外はApple watchだが、充電が面倒になって一ヶ月で机の奥に。
 
腕時計は最低限のマナーみたいな会社もある。でも僕はそういうところで働いていない。7時になるとみんな酒飲みながら仕事するような職場で働いている。だから特に困ることもない。
 
冠婚葬祭のときには祖父から代々引き継がれたSEIKOのシルバーウェーブがある。親父からグランドセイコーだぞこれ、と言われて10年くらい信じて恥ずかしい思いをした。ただそういう問題ではない。親子の絆の話なのだ。
 
腕になにもつけないまま問題なく三十代を過ごしたが、ただ、子どもができて少し考えが変わった。手がふさがることが増えるので、腕に目をやれば時間がわかるというのは正直便利。あと、子どもの前であまりスマホを出したくない。ついつい検索とかしちゃって格好悪いパパになっちゃうし。子どもはゲームやりたがるし。
 
それで腕時計でも買おうと思った。
 
しかし条件は厳しい。高価なものは前述の理由+子どもに壊されたらと思うととても買えない。安い自動巻きはオーバーホールのコストを考えると馬鹿馬鹿しくなってくる。かといって中価格帯のクオーツはもっと買う気にならない。電波とかワールドタイムとかいらないし。海外とか行かないし。
 
さらに敏感肌なので、革や布ベルトは不可(夏にちょっと汗をかくとすぐ痒くなってしまう)。そんなことを考えているとどんどん自分の時計相場感が下がってきて、一万円でも高けーみたいな気分になってくる。どこの口がジャガールクルトとか言うのか。
 
でも実際のところG-shockとかタイメックスの需要ってこういう時計難民によって支えられているのではないかと思う。G-shockつけてるおっさんって結構多いよね。
 
僕も41歳のおっさんとしてG-shockは嫌いではない。そして41歳のおっさんだけに、買うならキアヌリーブスが映画で使っていた通称スピードモデル(DW-5600)がいい。
 
しかし、この時計は昔買ったことがあってすでに一度失くしている。別に同じものをまた買ったっていいんだけど、やっぱそれじゃつまらない。かといってG-shockで他にほしいものはない。
 
タイメックスならどうか。これもすでに失くしている。アイアンマン。それに、なんかデジタルウォッチは今の気分ではない。Apple watchをほとんど使わなかったのが心に残っているのかもしれない。できれば今回は針のついたものにしたい。
 
スウォッチ?これもすでに2本失くしているが、バリエーションは山ほどあるからもしかしたらお気に入りが見つかるかもしれない。でもなあ、スウォッチはあまりに軽すぎるんだよなあ。
 
41歳のおじさんの腕に巻かれていたらスウォッチのほうから三行半をつきつけてくるような気がする。SYSTEM51には大変興味はあるが、僕の使い方だと2年ももたないだろう。同様の理由でSEIKO5も却下。いやだから安い自動巻きに惹かれるのはやめろって。
 
困った、、、悩みながらwebを徘徊すること約2日。候補は2つに絞られた。まずSEIKOのダイバー、SKX007KC。通称ブラックボーイ。いやだから安い自動巻きに(以下略)。もう一つはCASIOの同じくダイバー、MDV-106-1AV。こっちはクウォーツ。どちらも逆輸入モデル。
 
実はダイバーって今まで持ったことがなかった。ダイビングしないから。同様の理由でパイロットウォッチも持ったことはない。パイロットではないから。ただ、41歳のおっさんが今更こだわるところではない。海外行かないのにワールドタイマーというのは許せないが、ひとつここは度量の大きいところを見せていこうじゃないか。
 
もしかしたらヨドバシカメラの時計館みたいなところだったら実物を見られるのかもしれないが、時間がないので今回はwebで済ますことにする。ブラックボーイとMDV-106-1AVどちらにすべきか。値段はまあまあ違う。前者が18000円くらい。後者は6000円くらい。
 
調べたところによるとブラックボーイはけっこう歴史のあるモデルらしく、歴史好きな僕のハートにぐさりとくる。自動巻きというところも心惹かれ、正直なところ前言撤回してしまいそうな勢いがある。
 
だがしかし。SEIKOのダイバーに関しては昔からお気に入りのモデルがある。SBDX001。今はSBDX017という名前になっている。001のほうは10万円代後半で買えたということもあって、10年くらい迷い続けて結局買ってない。ときどき店で売られているのを見ては、「ええなあ、、、」なんてつぶやいている。もしブラックボーイを買ったらいつまでもSBDX001と比較してしまいそうで怖い。
 
一方のMDV-106-1AV。6000円なら失くしても落ち込むことはない。一年使えば元を取ったと感じるだろうし、クオーツなのも気分が楽だ。シンプルなルックスも好みである。
 
そんなわけでMDV-106-1AVを手に入れた。アマゾンでポチり。レビューを見ると箱なしで送られてきたりもしたそうだが、僕のはCASIOの箱入りだった。ただ別にそこにこだわりはないので、箱が欲しかった人に送ってあげればよかったのにと思う。正直パチもんだったとしても気にならない。ちゃんと動くなら。
 
なにしろ評判のみで買ってしまった時計なので、実際どうかなあ、なんて思っていたが悪くない。何人かのレビューに書かれていた通りウレタンベルトがちと安っぽいが、それを除けば3万円と言われれば信じてしまいそうな雰囲気がある。さすがに文字盤なんかはペラペラだがそれがなんだというのだ。
 
サイズもほどよし。僕の腕回り18cmにちょうどいい大きさ。現代の時計を見慣れている人から見ればむしろ控えめに映るかもしれない。
 
以来ほぼ毎日身につけてる。ランニングのときも風呂に入っているときも。風呂に時計をつけて入るなんて間抜けもいいところだってずっと思っていたけれど、子どもと一緒に「どぶん!!」なんて言いながら風呂に投げ込んだりするのはとても楽しい。
 
あ、でもこのブログを読んで興味を持たれた方は自己責任でお願いします。裏蓋には20BARと書かれているので生活防水レベルだと思われる。この時計つけてダイビングする人はそうそういないような気もするが、一応補足。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ニューバランスのM1500 NAVを買う(&M530を褒める)

常々このブログで申し上げているように、モノには相場というものがある。人それぞれの価値観と言ってもよい。今回取り上げたいのはスニーカー。人はスニーカーにいくらお金をかけられるのか。
 
結論から述べさせていただくと、9800円。これが僕にとって長くスニーカーのMAX価格であった。さすがにこれ以上は出せない。11800円とかも無理。僕のモットーは「セールでは買わない」なんだけど、どうしてもほしいスニーカーがあったら9800円以下になるまで待つ。それが僕の矜持。
 
というか、そもそもスニーカーに全然こだわってこなかった。すぐ駄目になっちゃうから。さすがに踵を潰して履いたりはしないが、スニーカーの寿命はせいぜい2年だと思ってた。2年過ぎたらソールなんかなくなるものだと思ってた。汚れたら体育館履きと同じように、靴用石鹸をブラシになすりつけて、ゴシゴシこすって天日干しするのが当たり前だと思ってた。
 
ところが2年前。どうも大人のスニーカーマナーは自分が思っているものと違うらしい、と気づいた。大人はもっとスニーカーを大事に履くものらしい。水たまりに「ウヒャッホー!」とか飛び込んだりはしないらしい。そしてどうも、安いスニーカーと高いスニーカーは、だいぶ履き心地が違うらしい。
 
ふーん、そういうもんかねえ。と改心して、ニューバランスのM530というシューズを買ってみた。ABCマートだったと思う。ニューバランスの履き心地がいいという噂を聞きつけて、店まで出かけていったのだった。
 
ニューバランスは20代の頃お世話になっていた。東京靴流通センターで買った6800円くらいのやつ。最後のほうはヒールが斜めに削れすぎておかしな歩き方になるくらい履きつぶした。別に履き心地がよかった記憶はない。
 
ABCマートの店内にずらりと並んだニューバランスを見回して、まずは街でよく見かける定番ぽいものを手にとってみた。ML574か、MRL996だったと思う。僕の乏しい知識では、まあニューバランスといえばこれかな、という感じのやつ。東京靴流通センターで買ったのもこんな雰囲気だったし。
 
が。41歳の足にはNのロゴがでかすぎた。なんというか気恥ずかしいぐらい大きすぎた。ニューバランスってカリフォルニア風キャンパスボーイが履いているイメージだったのだけど、靴に突きつけられた気がした。「あなたはもう大学生ではないですよね。というかその倍生きてますよね。なんでまた、私が似合うと思ったんですか?ご自身のこと、あまりわかっていなんですか?」とこんこんと諭された気がした。Nのロゴに。
 
そうか。。。俺はもうニューバランスが似合わない年齢なのか。。。なんてめまいを覚えながら帰ろうかと思ったんだけど、念のためと思ってもうちょっと見回してみたら、Nが小さいニューバランスって結構あるのね。知らなかった。しかも結構価格帯高めのやつ。
 
ああ、そういうことか、と。大きなNロゴが似合うような大学生は、貧乏だから値段も下げてやろうかと。その分中年の今だにスニーカーにこだわるようなおっさんからは金をむしり取ってやろうと。そういうニューバランスの商魂がプンプンした。
 
よろしい、ではそれに乗ってやろう。僕もこうやって次世代にバトンを引き継いでいくんだなって少々感慨深く、でも2万円を超えるようなスニーカーなんてアホかと思っているから間をとってM530を試し履きしてみた。
 
色はグレーで踵にencapとか書いてある。サイズもほぼジャストの26cm。スニーカーなんてぶかぶかに履くもんだとずっと思っていたのだけど。もう41歳だから足元からタイトに。
 
おお、ソール硬いのね。というのが第一印象。コンバースとかバンズとかスタンスミスとかならともかく、現代スニーカーなんてもれなくバネでも入っているんじゃないかってレベルでふわふわなソールが一般的だと思っていたから、この硬さに初めは面食らった。しかしABCマート内を縦横無尽に歩き回って感じたこと。この硬さ、悪くない。しかもフィット感、すごくいい。
 
ジャストサイズのきちんとしたスニーカーって、こんな感じなんだ、と気づかされた思いだった。たまに日本は靴文化がないなんて主張するアホがいて欧米かよ死ねよなんて思っていたけど完全に僕が間違っていた。ごめんなさい。
 
一応念のためNロゴが大きいシューズとかも履いてみたんだけど、僕の足にはM530がしっくりくるようだった。まあ実際のところは作りにそれほど違いはないのかもしれず、ただの思い込みかもしれないのだけど。一つ言えるのは、encapというソールが気に入ったということだ。正直好みは分かれると思う。硬すぎると思う人もいるかもしれない。
 
それで結局M530を買ってみたんだけど、これがすごくよかった。なんというかきちんと歩いている気がする。日本には靴文化がないなんて(以下略)。買った当初は、歩くたびに感動して横にいるカミさんにウンチクたれたりしてずいぶん疎ましがられた。もうニューバランスしか買わない。M530しか買わない。そう思ってこの2年間。休日はほぼこれ一足で過ごした。
 
、、、ええと、すみません、M1500の話ですよね。ようやく本題に入りつつあるわけですが、小さな子どもがいると公園に行ったりボール蹴ったりするわけで、もうどうやっても汚れてくるんですよ。大人のスニーカー講座初級編といえど。相変わらずM530は僕の足にジャストフィットしてこれなしにはやっていけないくらいの雰囲気醸し出しているのだけど、さすがに子ども専用にしないといけないくらいのヨレ方になってきた。
 
これはもう一足買うしかないな、おすまし用に。と覚悟を決めたのが2016年クリスマスシーズン二ヶ月前。
 
はじめはM530をもう一足買おうかと思っていたんだけど、子ども専用とはいえ現役が一足あるし、せっかくのクリスマス。もう少しなんというかこう、特別感がほしい。そんなことを考えながら大好きなオッシュマンズに足を運んだら、M1500が飾られていた。正直Nロゴ小さすぎ!だけどカッコええなあ、、、。
 
しかし価格はほぼ3万円。僕のスニーカー相場感を大阪米騒動レベルで打ち壊してくる。いや無理だろ、さすがにスニーカーにそんな大枚払うのは無理。だってせいぜい2年しかもたないんだから。革靴と違ってソールの交換はできないし、汚れとか靴墨でごまかせないんだから。オッシュマンズの有能な店員さんも、こいつは買う顔ではないと判断して寄ってこない。その場はすごすごと退散した。
 
しかしその後僕の頭からM1500が離れることはなかった。気がつくと検索してしまう。セールはやってないのか。どこかでセールは。セールはどこだー。と探すこと一ヶ月。うん、セールはやってない。ニューバランスのシューズに関していうと、セールに入ってくるものとこないものがはっきり分かれていて、M1500は全く入ってこない。M530はまあまあ入ってくる。
 
どうも定価で買うしかない。まあそれならそれで納得できる。後でセール情報を見つけて、この馬鹿馬鹿馬鹿なんて壁に頭打ちすえなくて済む。しかしスニーカーに3万。頭おかしいぜ。
 
そのとき天からピーンとアイデアが降りてきた。ニューバランスって修理できるのかいな。さっそくwebへGO!
 
結論。ソール交換とライニングなら修理できた。ソールが8000円。ライニングつけて12000円(2016年価格)。それだけお金を払うなら、M530をもう一足買えるよね?という無粋なツッコミは勘弁してほしい。というかもうすでに散々僕が僕に突っ込んだから許してほしい。これは男の意地の物語である。
 
僕が今までにソールを変えた靴は一足だけでトリッカーズのフルグローブなのだが、革底だと滑りすぎていつか大怪我しそうだったので、15年目くらいのときにダイナイトソールに変えたのだった(あまりに滑るものだから年2回くらいしか履いていなかった)。
 
靴自体はまだ今ほどトリッカーズが高くなかった時期に買ったもので3万円台半ばくらいだった記憶がある。そこに2万円近くかけてソールを変えたわけでちょっとアホかと思ったが、まあこの靴は一生履くような気もしたし納得できたの。しかし果たしてM1500は一生とは言わないまでも10年くらいは履けるのだろうか。修理さえすれば。
 
わからない、、、わからないよ、、、。もうほんとハゲるのかというレベルで悩んだ。クリスマスに3万円というのは決して小さくない出費だが、まあ許容できないことはない。カミさんにはイルビゾンテの財布を買ってあげることになっていたから、金額的にもちょうど釣り合う。しかしスニーカーに3万て。
 
悩みに悩んだ末出した結論が、「アッパーがレザーだったら長く履けるかも」。それでM1500 NAVにしました。NAVというのは多分ネイビーの略ね。つまりスニーカーではなく革靴と考えることにした。革靴で3万ならまあ仕方ない。その気分をスニーカーに転用したのだった。
実は一番ほしかったのはM1500ではなく、そのハイカット版(といっても見た目はそれほど変わらない)のMH1500だった。それの限定モデルBTというやつ。こげ茶のベースカラーに差し色のオレンジとアクアブルーが超かっこいい。でもなー。スエードベースのMH1500 BTは、多分自分には長く履けなそうな気がした。どこかで駄目にしてしまう。
 
 
すごく迷ったが泣く泣く諦めた。来年あたり場末の靴屋でセールに出ていることを心の奥で願いながら諦めた。1万円台まで落ちていたら運命だと思って買おう。まあ出てこないだろうけど。
 
しかし、M1500 NAVも負けず劣らずかっこいい。というか正直カミさんウケはこっちのほうがずっとよかった。都会的ハイセンスなシャープさを感じるらしい(彼女の表情から読み取ると多分そう言ってくれている)。
 
12/25の朝、サンタさんが枕元に置いてくれたそれを履いて、さっそく散歩してみた。うん、悪くない。正直M530と履き心地に違いはない。というか僕レベルでは全く違いがわからない。改めてM530の素晴らしさを感じる。しかし重要なポイントはそこではないのだ。ルックス、そしていざとなればソールを変えて長く履ける安心感。そこに期待して買ったのだからいいのだ。
 
今後子どもの教育費その他でほしいものが買えないことも増えてくるだろう。しかし今の僕にはM1500がある。子どもの相手用にM530を買い換え続けながら、このM1500を人生後半の一足としてともに歩んでいこうじゃないか。そう自分に言い聞かせ、僕は今年、スニーカーの相場を大きく引き上げたのだった。
 
 
 
 
 
 
 

ORTLIEB(オルトリーブ)のヴェロシティ(バックパック)を買う

子どもができると両手がふさがることが多くなるので、バックパック、いわゆるリュックサックは重宝する。でもここ数年、自分用のは持っていなかった。必要なときはカミさんのを借りていた。

 

以前はハグロフスの15Lくらいのを愛用していた。ボロボロになるまで使い込んだ。多分10年以上。今でこそハグロフスってどこにでもあるけど、当時はほとんど見かけなかったような気がする。

 

自転車通勤をするようになって、そろそろ自分用のバックパックがほしくなってきた。15Lかでかくても20Lくらいのやつ。持ち運ぶものはほとんどないのだけど、弁当持参だからボディバッグでは足りない。

 

さっそく店を回ってみる。高い。いや、申し訳ない、いつもこのブログで高い高い言っているような気がするが、本当に高いんだからしようがない。1万越えは当たり前、ちょっといいなと思うのは2万とか平気でオーバーしてくる。

 

いやそりゃ山とかならね。僕もクオリティ追い求める気持ちはやぶさかじゃない。下手すりゃ命関わってくるし。

 

だけど、用途の99.9%はアーバン(都会)。山なんて3年に一度子ども連れて高尾山でも登る?のレベル。そんな人間にオーバークオリティとかまったく不要。

 

しかし一方。たとえアーバン使いであろうが機能にこだわってこそ男。たとえば雨完全シャットアウト!ドキドキする。いや、雨降ってたら自転車通勤しないけど。

 

この矛盾にベストアンサー出してくれるアンダー1万のバックパックがほしいわけですよ。なんでマーケティングの方、そういう企画出してくれないんだろう、ほんと。バカ売れ間違いなしなのに。

 

そして、もう一つ重要なことがあった。バックパックといえば大学生。ゆえに大学生が使うようなバックパックは使いたくない。41歳のおじさんとしては。

 

うーん、これ、難しいよなあ。だって自転車通勤がメインなわけだから、革とかましてやハリスツイードとかじゃちょっと違うわけですよ。タフじゃなきゃ。となるとアウトドア用リュックということになって、そうなるとそこらの大学生ともろかぶりなわけですよ。

 

ノース・フェイスとかミレーとか嫌いじゃないけど、もうほんと街でうじゃうじゃしてる。うじゃうじゃ。40歳のおじさん・おばさんとかぶるなら別にいいんだけど、大学生とはかぶりたくない。大学生じゃないから。

 

そんな思いで帰宅。webを検索。いろいろ調べた挙句、オルトリーブのベロシティというバックパックが気に入った。20L。

 

ネットの噂によると、非常時には浮輪代わりになるとかならないとか。マジか。「ああ、溺れる!」「そんなときこそオルトリーブのベロシティの出番よ!」「それー」「プカー」そんなシチュエーションを思わず夢想してしまう。

 

これは買うしかないな、と思うけれど、相場は13000円ほど。高い。モノには相場というものがあって、僕の中でバックパックはアンダー1万。ここは譲れない。どうしたものか、、、。と思案していたところ、海外のサイトで買ってみたらどうかと閃いた。ピーン。

 

で再び検索の海へ。Wiggleというサイトを見つける。以前も見たことがある。評判もそこそこらしい。オルトリーブのベロシティは送料込で9000円くらい。

 

まあ9000円なら万が一詐欺られても諦めがつく。という自分の懐がでかいところと13000円をありえないと言うことがまるで矛盾しているんだけどここでは考えないことにする。ペイパルでブラックをポチり。

 

10日ほどで届いた。見る限り偽物ではないような気がする。根拠はない。精悍なルックス。悪くない。大学生も持っていそうな気もするが、記憶を辿る限り電車で出くわしたことはないと思うから、まあかぶりは誤差の範囲だろう。

 

チャックがなくて上部の開口をぐるぐると巻いて蓋をするタイプ。防水性も高そうだ。。。これは試すしかない。

 

ぐるぐる巻いて、風呂場に持っていって水を張った浴槽にポーン。浮かんでる、浮かんでるよ!!!でも、どうみても浮輪にはならんな、これ。

 

 

 

 

 

bernのヘルメットを買う

一枚で複数の用途に使える服が好きだ。でもリバーシブルの服は好きではない。この違い、わかってもらえるだろうか。
 
一応説明すると、例えば街でも山でも快適かつオシャレにキメられるアウトドアジャケット。これを探すのは結構な労力とそれなりの審美眼が必要だと思っている。一方リバーシブルは5000円で2度お得みたいなのがイマイチ。リバーシブルでも表はスカジャン、裏はスーツみたいなのがあったら絶対買うんだけど。
 
と極めて無意味なマイルールを披露したところで、bernのヘルメットの話。
 
不思議なもので自分に子どもがいると急に「安全」が重要なテーマになってくる。結論から言うと、「自転車通勤のときはヘルメットかぶろうかなあ」という気になってくる。
 
まあロードレーサーに乗って自動車とタメ張るような走り方をするわけじゃないから、正直いらないといえばいらない。ただ、通勤となると毎日のことだし、ときには気が緩むこともある。
 
世の中には取り返しのつかないことが、残念ながらある。ヘルメットをかぶるだけでその可能性を少しでも減らせるのならやっておこう。そんな気持ちが子どもがいると増してくる。
 
ヘルメットを買おうと考えたもう一つの理由がウインタースポーツ。もう十年以上ご無沙汰しているが、スキーもスノーボードも好きだ。今年こそは小一の長男をゲレンデデビューさせたいと思っているが、当然ヘルメットは必須。なんなら全身にプロテクターをつけてもらいたいくらい。かくにも父親というのは、子どもの安全が気になるものなのだ。
 
子どもにヘルメットを強制するからには、親もかぶらねばなるまい。過去着用したことは一度もないが、どうも巷の噂では、最近は雪山でヘルメットをかぶるのがスタンダードだそうだ。本当かどうかわからないがいい傾向だと思う。リフト待ちでヘルメット被っているスノーボーダー、なんかクールに見えたしね。
 
ということで自転車通勤と雪山を兼用できるヘルメットがほしくなったのだった。それぞれ買えばいいじゃーん、って思うでしょ。僕も昔はそう思ってた。でも自転車通勤はともかく、雪山なんて年に1、2回しか行かない。そのためだけのヘルメット。お金もさることながらしまっておくスペースがもったいない。そう考えたらリバーシブルってすごくいいじゃん、と思ったが今回は触れないでおく。
 
そんなわけで神田小川町のビクトリアへGo!実を言うとその前にも新宿近辺のサイクルショップをふらふら回ってみたのだが、これぞというものが見つけられなかった。ロードレーサー用のヘルメットはたくさんあったのだけど。僕がほしいのはMTB系。あっても3万軽く超えてきたり。バイクに乗っていた経験からヘルメットにケチるのはよくないとしっているのだけど、やっぱり3万越えは高すぎる。
 
それでアプローチを変えて雪山のほうから迫ってみたというわけ。
 
で、ビクトリア。今度はゲレンデ用のヘルメットがたくさん。あたりまえか。しかもすごい数。こんなに置いてあるということは、本当にヘルメットかぶるのが当然という時代になっているのか。50種類以上はあるのではなかろうか。
 
ぶらぶらと歩きまわること5分。当たり前の話であるが、見るからに雪山ヘルメットという感じ。耳までしっかり覆われている。
 
うーん、これはなあ、、、。真冬ならありかもしらんが残り3シーズンの通勤には使えないだろうし、なにより「これからスノボー行くんですか?自転車乗って?」感満載。なんというかもうバリバリな感じ。
 
しかも結構高い。3、4万くらいがメインの価格帯な感じ。周りを見渡すと値札を睨みつけているの僕くらい。老若男女、ニコニコしながら試着している。みんなよくこんなの買うなあ。
 
うーん困った。どうするかなあ。やっぱり兼用とかそういうのって神様が甘いって言っているのかなあ。とふらふらすること1分。展示品限りのセール品コーナーでbernのヘルメットが1.3万円くらいで売ってた。おおっ!
 
bernの名前は知っていた。スケーターとか自転車のイメージだったのだが、ゲレンデ用のヘルメットもつくっていたのね!とその場で検索する。普通につくってた。展示してあったのはMACONというモデルの耳当て付きで、bernにおけるスタンダードのひとつらしい。この耳当ては簡単に外すことができる。All Seasonとサイトでも謳っている。
 
これだよ、これこれ。セールコーナーには白と黒とふたつあった。黒のほうが気に入ったが、あいにくサイズがXXL。白はXL。どちらも頭に合わなそうだ、、、。XXLて。
 
諦めるのも癪なのでとりあえず白からかぶってみる。うん、すげーきつい。、、、、きつい?XLなのに??
 
愕然とした。いや確かに身長低いわけではないけど。176cmくらいはあるけど。ついでに顔大きいねって、そこはかとなく言われてきたこの40年だけど。でもXLがきついってどういうこと?俺服のサイズMだよ??そしてカーキをかぶる。XXLジャストフィット。まじか。
 
このときのショックは結構強くて試着用の鏡を20秒くらい見ていた。後ろを邪魔そうに女の子が通り過ぎるまで見てた。XXL、、、。XXL、、、。
 
後でマジマジとサイトを見たところ、bernの日本の公式ショッピングサイトっぽいとことでは、下のサイズはMからだった。M、L、XL、XXL、XXXLまである。日本人のSサイズがMサイズということか。それで少し気分がよくなったがそれでもXLまでだよなあ、、、。XXLて。
 
ちなみに本国USのサイトを見るとしっかりSサイズからあった。亜細亜の悲しみを感じる。ついでにいうと、ドル建ての値段はやっぱり安い。ヘルメットってこのぐらいの値段だよなあ、と思う。まあ関税とか商社の取り分とかいろいろあるのはわかる。
 
白(XL)を無理やりかぶって無理やり買おうか迷ったが、頭痛が出るレベルなので諦めた。すごく不本意だがカーキを買う。いや、黒のほうが気に入っていたんだけど。
 
レジに持っていくと男の店員さんがチラリとサイズを確認したような気がした。「展示品なので返品はききませんがきちんとご試着なされましたか」とか聞かれるかなあと思って待っていたら僕の顔見てふっとほほえんでうつむいた。ああ、この人きちんと試着したんだなって顔をしてた。
 
というわけで、僕は今bernのヘルメットをかぶって自転車通勤している。なかなか似合っていると自分でも思う。なにしろジャストフィットだから。