40th Engineering

フリスクのCMをご存知ですか?日常の中にアイデアが降りてくる瞬間を切り取った傑作です。そんな「ピーン」とした瞬間を記録に残したくてブログを始めました。現状ほとんど買い物日記ですが。

ランズエンドのXシャツとスラックスを買う

今から25年前、北関東の某男子高で、L.L.Beanがオシャレランキングのトップを飾るという異常事態が発生した。

 

仕掛け人は同級生の中野(仮名)。まあただL.L.Beanのダウンベストを着ていただけの話だ。

 

とにかく。それを機に、猫も杓子も、北関東の鼻水垂らした男子高校生も、どいつもこいつもL.L.Bean。といってもL.L.Beanの服を買う方法なんて皆わかってなかったので、「やっぱりL.L.Beanだよなー」と口角泡を飛ばしつつ、しかし中野以外は誰一人持っていないという、レイワには想像もできない日常がそこにはあった。

 

中野にしたって、どうせドキドキしながらお年玉握りしめて下北あたりの胡散臭い古着屋で買ったのだろうが、我が高イチのトレンドセッターであった彼の影響は凄まじいものがあり、同じく古着屋で入手したヨレヨレのネルシャツに赤のダウンベストを重ね、リーバイスの赤耳にアイリッシュセッターを合わせた中野が校内を闊歩すると、まるでモーゼの十戒のように行く手が二つに割れたのだった、、、、とか書くと「はいはい嘘松嘘松」とか言われるので、確かにそこまでではなかったのだけど。

 

というか、今思い返すと、「あなたこれからロッキー山脈までお散歩ですか?」という感じだったよね、中野って。

 

まあしかし、彼がオシャレさんだったのは間違いなく。きっと卒業後はスタイリストさんとかバイヤーさんとかになって華麗に芸能人さんたちと一緒に仕事なんかしつつ(スタイリストとバイヤーの大変さはよくわかっているので言葉の綾は勘弁してください、、、)。しかし一見軽そうに見えたと思うけどけど実はしっかり開業資金とか貯めていたんだよね、俺。みたいな感じであっさり独立して神戸あたりにオサレな古着屋を構えつつ、休日は山の手あたりに買った庭付きの一軒家でご自慢のアイリッシュセッターが泥で汚れるのも一向に構わずパンジーなんか育てて、娘(4歳)と、「ほら、 陽菜乃ちゃん、きれいだね」とか言葉を交わしているのかなあ、なんて夢想したりする。

 

、、、まあ中野の現在はわかっているわけだが。大学卒業後、司法試験に合格し、しばらくイソ弁として奮闘したあとに、業界の将来に見切りをつけて、現在は東京の中堅企業の法務部で働いているバツイチ中年。それが中野。

 

と、ここまで書いたら当然L.L.Beanの話でしょう?と思わせといてそうでないのが僕のクオリティ。僕のブログの愛読者ならよくご存知だと思うが、もう少しL.L.Beanの話をすると、L.L.Beanアメリカにおけるカタログ通販の先駆けブランドで、今の世を生きる若者には想像もつかないだろうが、かつては電話やハガキで注文するというシステムだった、、、って今もそのシステムは生きているわけだが。

 

そして、アメリカにおけるカタログ通販の先駆けとして、もうひとつ有名なブランドがある。それが「ランズエンド(Lands' End)」。ようやくここからが本題。

 

僕は、このランズエンドというブランドが好きで、今までそこそこの額を投資してきた。といっても日本での知名度はそこまで高くないので簡単に説明すると、L.L.Beanがロッキー山脈なら、ランズエンドウィスコンシン州あたりのサラリーマンのイメージ。「ウィスコンシン??知らねーよ」という人のために一応説明すると、アメリカ中西部の一番北にある州で、すぐ南にはシカゴを擁するイリノイ州がある。

 

僕がウィスコンシンの名前を出したのは、実際にランズエンドの本社がウィスコンシンにあるから。

 

つまり、ランズエンドの服は、シカゴで働くおじさん・おばさんのイメージで捉えてくれればほぼ間違いないと思う、、、ってシカゴを訪れたことのある人がこのブログの読者にどのくらいいるのかわからないが。

 

もちろん僕もシカゴに行ったことなんてない。

 

 まあ、とにかく。細かい話はランズエンドのwebサイトを見てもらうとして、先ほど申し上げたように僕はこのブランドの衣類にそこそこの投資をしている。特にこの5年間。

 

つまり、ランズエンドというのは、最低でも30代後半からのブランド。少なくともここ日本では。というか、多分メイン層は50代とか、下手すりゃ60代じゃないかな。

 

僕がランズエンドを知ったのは、安価でそこそこ質のいいビジネスシャツを探していたところ、「ランズエンドのXシャツがいいぜ!!」という神の声が聞こえたから。

 

実際、これがなかなかよかった。価格帯は7000円前後。以前メーカーズシャツ鎌倉の記事を書いたことがあるが、

 

nakad-itsuki.hatenablog.com

 

このとき鎌倉シャツを、セレオリとヨーカドーの間を埋める存在だと表現したことがある。ランズエンドのXシャツは、価格だけでいうと、セレオリと鎌倉シャツのさらに間を埋めるものということになる。

 

とはいえランズエンドはしょっちゅうセールをやっているし、なにかといえばオトクなクーポンを付けてくるから、位置づけとしては鎌倉シャツとほぼ同等だと考えればいいだろう。

 

つまり、「鎌倉シャツか、ランズエンドか、それが問題だ!!」というわけ、、って気張るほどの値段ではないから興味がある人は両方試してみればいいと思う。今どきアンダー1万円シャツのクオリティなんてそこまで差が出るはずもなく、要は自分の体にあっているかどうかだけだから。

 

ランズエンドのXシャツは見事に僕の体に合った。僕は身長と比較して首が太く、首に合わせてシャツのサイズを選ぶと、どうしても大きめになってしまう。

 

昨今のシャツブランドは、たとえ安価でも裄丈を細かく指定できるところが多く、袖が長すぎて困るということはほとんどないのだけど、身幅だけはどうしようもない。そこがつらいところなのだけど、ランズエンドのシャツは僕の体にきれいに合った。

 

これは身幅が狭いからというよりは、ランズエンドのご自慢の「立体Xシャツ」によるものなんだろう。日本人の体型に合わせて開発した、Yシャツを一歩リードしたXシャツ!ってどんな表現やねん!と思わないでもないが、要はシカゴ生まれの完全に日本企画商品。それがXシャツなのだ!!って本当のところはよく知らないけど。ただ、少なくとも本国サイトではXシャツという表現はされていないと思う。

 

僕はこのXシャツをきっかけにランズエンドの商品をちょこちょこ買うようになった。先ほど申し上げたようにターゲットは完全に50代。したがって、デザインやシルエットは完全におっさんのそれである。

 

しかしそれが今の僕にベストマッチ。40代なんだから背伸びして50代の服着ようぜ!って背伸びの使い方を間違えている気がしないでもないが、とにかくおっさんシルエットが今の気分なのだ。

 

Xシャツと並んでもう一つ定期的に買っているのがスラックス。特にコットンスラックス。チノパンも、センタープレスが入っているのも両方。

 

繰り返し言うがシルエットは完全におっさんである。インコテックスやPT01のようなイタリア系オシャレ親父美脚パンツとは次元が違う存在だということははっきり申し上げておきたい。

 

でもさ。。。

 

テパードばっちり入った美脚パンツってどんだけの人が着こなしているのって話で。世のオシャレ系ファッショナブル誌なんかだと、「どんな体型の人でもスタイルよく見せるインコテックス!!」なんて書かれようだけど、それはいくらなんでも言い過ぎ。やっぱり似合う体型は限られているわけで。

 

高い金出してイタリア系買ったけど、いまいちピンとこねーなー、という人はぜひ一度シカゴ系を試してみてほしい。確かに野暮ったいなあ、でもまあ、これでもいいかあ、と思うかもしれないから。