40歳からのエンジニア入門

フリスクのCMをご存知ですか?日常の中にアイデアが降りてくる瞬間を切り取った傑作です。そんな「ピーン」とした瞬間を記録に残したくてブログを始めました。現状ほとんど買い物日記ですが。

ニューバランスのM1500 NAVを買う(&M530を褒める)

常々このブログで申し上げているように、モノには相場というものがある。人それぞれの価値観と言ってもよい。今回取り上げたいのはスニーカーである。人はスニーカーにいくらお金をかけられるのか。
 
結論から述べさせていただくと、9800円。これが僕にとって長くスニーカーのMAX価格であった。さすがにこれ以上は出せない。11800円とかも無理。セールでは買わないをモットーにしているけど、どうしてもほしいスニーカーがあったら9800円以下になるまで待つ。それが僕の矜持。
 
というか、そもそもスニーカーに全然こだわってこなかった。すぐ駄目になっちゃうから。さすがに踵を潰して履いたりはしないが、スニーカーの寿命はせいぜい2年だと思ってた。2年過ぎたらソールなんかなくなるもんだと思ってた。汚れたら体育館履きと同じように、靴用石鹸をブラシになすりつけて、ゴシゴシこすって天日干しするのが当たり前だと思ってた。
 
ところが2年前。どうも大人のスニーカーマナーは自分が思っているものと違うらしい、と気づいた。大人はもっとスニーカーを大事に履くものらしい。水たまりに「ウヒャッホー!」とか飛び込んだりはしないらしい。そしてどうも、安いスニーカーと高いスニーカーは、だいぶ履き心地が違うらしい。
 
ふーん、そういうもんかねえ。と改心して、ニューバランスのM530というシューズを買ってみた。ABCマートだったと思う。ニューバランスの履き心地がいいという噂を聞きつけて、店まで出かけていったのだった。
 
ニューバランスは20代の頃お世話になっていた。東京靴流通センターで買った6800円くらいのやつ。最後のほうはヒールが斜めに削れすぎておかしな歩き方になるくらい履きつぶした。別に履き心地がよかった記憶はない。
 
ABCマートの店内にずらりと並んだニューバランスを見回して、まずは街でよく見かける定番ぽいものを手にとってみた。ML574か、MRL996だったと思う。僕の乏しい知識では、まあニューバランスといえばこれかな、という感じのやつ。東京靴流通センターで買ったのもこんな雰囲気だったし。
 
が。41歳の足にはNのロゴがでかすぎた。なんというか気恥ずかしいぐらいでかすぎた。ニューバランスってカリフォルニア風のキャンパスボーイが履いているイメージだったのだけど、「お前もう大学生どころかその倍生きてるじゃねえかー」みたいな突きつけられ方をされた気がした。Nのロゴに。
 
そうかあ。おれもうニューバランス似合わない年齢なのかあ。なんて若干めまいを覚えながら帰ろうかと思ったんだけど、念のためと思ってもうちょっと見回してみたら、Nが小さいニューバランスって結構あるのね。知らなかった。しかも結構価格帯高めのやつ。
 
ああ、そういうことかあと。大学生は貧乏だから値段もさげてやろうかと。その分中年の今だにスニーカーにこだわるようなおっさんからは存分にふんだくってやろうと。そういうニューバランスの商魂がプンプンした。
 
よろしい、ではそれに乗ってやろう。僕もこうやって次世代にバトンを引き継いでいくんだなって少々感慨深く、でも2万円を超えるようなスニーカーなんてアホかと思っているから間をとってM530を試し履きしてみた。少し値下げして12800円くらいだったか。グレーで踵にencapとか書いてある。サイズもほぼジャストの26cm。スニーカーなんてぶかぶかに履くもんだとずっと思っていたのだけど。もう41歳だから足元からタイトに。
 
おお、ソール硬いのね。というのが第一印象。コンバースとかバンズとかスタンスミスとかならともかく、現代スニーカーなんてもれなくバネでも入っているんじゃないかってレベルでふわふわなソールが一般的だと思っていたから、この硬さに初めは面食らった。しかしABCマート内を縦横無尽に歩き回って感じたこと。この硬さ、悪くない。しかもフィット感すげーいい。
 
ジャストサイズのきちんとしたスニーカーって、こんな感じなんだ、と気づかされた思いだった。たまに日本は靴文化がないなんて主張するアホがいて欧米かよ死ねよなんて思っていたけど完全に僕が間違っていた。ごめんなさい。
 
一応念のためNロゴが大きいシューズとかも履いてみたんだけど、僕の足にはM530がしっくりくるようだった。まあ実際のところは作りにそれほど違いはないのかもしれず、ただの思い込みかもしれないのだけど。一つ言えるのは、encapというソールが気に入ったということだ。正直好みは分かれると思う。硬すぎると思う人もいるかもしれない。
 
それで結局M530を買ってみたんだけど、これがすごくよかった。なんというかきちんと歩いている気がする。日本には靴文化がないなんて(以下略)。買った当初は歩くたびに感動して横にいるカミさんにウンチクたれたりしてずいぶん疎ましがられた。もうニューバランスしか買わない。M530しか買わない。そう思ってこの2年間。休日はほぼこれ一足で過ごした。
 
、、、ええと、すみません、M1500の話ですよね。ようやく本題に入りつつあるわけですが、小さな子どもがいると公園に行ったりボール蹴ったりするわけで、もうどうやっても汚れてくるんですよ。大人のスニーカー講座初級編といえど。相変わらずM530は僕の足にジャストフィットしてこれなしにはやっていけないくらいの雰囲気醸し出しているのだけど、さすがに子ども専用にしないといけないくらいのヨレ方になってきた。
 
これはもう一足買うしかないな、おすまし用に。と覚悟を決めたのが2016年クリスマスシーズン二ヶ月前。
 
はじめはM530をもう一足買おうかと思っていたんだけど、子ども専用とはいえ現役が一足あるし、せっかくのクリスマス、もう少しなんというかこう、特別感がほしい。そんなことを考えながら大好きなオッシュマンズに足を運んだら、M1500が飾られていた。正直Nロゴ小さすぎ!だけどカッコええなあ、、、。
 
しかし価格はほぼ3万円。僕のスニーカー相場感をもう大阪米騒動レベルで打ち壊してくる。いや無理だろ、さすがにスニーカーにそんな大枚払うのは無理。だってせいぜい2年しかもたないんだから。革靴と違ってソールの交換はできないし、汚れとか靴墨でごまかせないんだから。オッシュマンズの有能な店員さんも、こいつは買う顔ではないと判断して寄ってこない。その場はすごすごと退散した。
 
しかしその後僕の頭からM1500が離れることはなかった。気がつくと検索してしまう。セールはやってないのか。どこかでセールは。セールはどこだー。と探すこと一ヶ月。うん、セールはやってない。ニューバランスのシューズに関していうと、セールに入ってくるものとこないものがはっきり分かれていて、M1500は全く入ってこない。M530はまあまあ入ってくる。
 
どうも定価で買うしかない。まあそれならそれで納得できる。後でセール情報を見つけて、この馬鹿馬鹿馬鹿なんて壁に頭打ちすえなくて済む。しかしスニーカーに3万。頭おかしいぜ。
 
そのとき天からピーンとアイデアが降りてきた。ニューバランスって修理できるのかいな。さっそくwebへGO!
 
結論。できた。ソール交換とライニングなら。ソールが8000円。ライニングつけて12000円(2016年価格)。M530一足買えるじゃんか、という無粋なツッコミは勘弁してほしい。というかもうすでに散々僕が僕に突っ込んだから許してほしい。これは男の意地の物語である。
 
僕が今までにソールを変えた靴は一足だけでトリッカーズのフルグローブなのだが、革底だと滑りすぎていつか大怪我しそうだったので、15年目くらいのときにダイナイトソールに変えたのだった(あまりに滑るものだから年2回くらいしか履いていなかった)。
 
靴自体はまだ今ほどトリッカーズが高くなかった時期に買ったもので3万円台半ばくらいだった記憶がある。そこに2万円近くかけてソールを変えたわけでちょっとアホかと思ったが、まあこの靴は一生履くような気もしたし納得できたの。しかし果たしてM1500は一生とは言わないまでも10年くらいは履けるのだろうか。修理さえすれば。
 
わからない、、、わからないよ、、、。もうほんとハゲるのかというレベルで悩んだ。クリスマスに3万円というのは決して小さくない出費だが、まあ許容できないことはない。カミさんにはイルビゾンテの財布を買ってあげることになっていたから、金額的にもちょうど釣り合う。しかしスニーカーに3万て。
 
悩みに悩んだ末出した結論が、「アッパーがレザーだったら長く履けるかも」。それでM1500 NAVにしました。NAVというのは多分ネイビーの略ね。つまりスニーカーではなく革靴と考えることにした。革靴で3万ならまあ仕方ない。その気分をスニーカーに転用したのだった。
 
実は一番ほしかったのはM1500ではなく、そのハイカット版(といっても見た目はそれほど変わらない)のMH1500だった。それの限定モデルBTというやつ。こげ茶のベースカラーに差し色のオレンジとアクアブルーが超かっこいい。でもなー。スエードベースのMH1500 BTは、多分自分には長く履けなそうな気がした。どこかで駄目にしてしまう。
 
すごく迷ったが泣く泣く諦めた。来年あたり場末の靴屋でセールに出ていることを心の奥で願いながら諦めた。1万円台まで落ちていたら運命だと思って買おう。まあ出てこないだろうけど。
 
しかし、M1500 NAVも負けず劣らずかっこいい。というか正直カミさんウケはこっちのほうがずっとよかった。都会的ハイセンスなシャープさを感じるらしい(彼女の表情から読み取ると多分そう言ってくれている)。
 
12/25の朝、サンタさんが枕元に置いてくれたそれを履いて、さっそく散歩してみた。うん、悪くない。正直M530と履き心地に違いはない。というか僕レベルでは全くない。改めてM530の素晴らしさを感じる。しかし重要なポイントはそこではないのだ。ルックス、そしていざとなればソールを変えて長く履ける安心感。そこに期待して買ったのだからいいのだ。
 
今後子どもの教育費その他でほしいものが買えないことも増えてくるだろう。しかし今の僕にはM1500がある。子どもの相手用にM530を買い換え続けながら、このM1500を人生後半の一足としてともに歩んでいこうじゃないか。そう自分に言い聞かせ、僕は今年、スニーカーの相場を大きく引き上げたのだった。