40th Engineering

フリスクのCMをご存知ですか?日常の中にアイデアが降りてくる瞬間を切り取った傑作です。そんな「ピーン」とした瞬間を記録に残したくてブログを始めました。現状ほとんど買い物日記ですが。

チャンピオンのパーカーを買う

人は何歳までパーカーを着るのか。この問いは多くの日本人が一度は考えるものらしく、「パーカー 何歳まで」とか検索すると2ちゃんからガルちゃんまで様々な議論を目にすることができる。

 

僕はといえば前職で定年近いおじさまがマリンボーダーのそれをオシャレに着こなしているのを見て自分の中のOKラインが大幅に上がった。

 

パーカーやスウェットは一種の踏み絵である。下手に頑丈なゆえに着ようと思えばいつまでも着続けられるからだ。洗濯機で何ヶ月か洗うとびろーんと伸び伸びになってしまうくせに、そこからが長い。もうほんとマジでいつまでも着てられる。

 
僕は昔ハブスというアメリカはカリフォルニアブランドのスウェットを愛用していたことがある。11年着た。驚異的。最後のほうなんか訳のわからないシミがついて袖口は擦り切れ、首周りなんかもう一首入るくらいダルダルになって着てた。妻が「あなた、そろそろおやめになったら」と諭してこなかったらまだ着てたと思う。

 

このブログのテーマは四十を過ぎた男がいかに胡散臭く見えないような着こなしをするか間違えた四十歳からのエンジニア入門だが、着倒したスウェットとパーカーと胡散臭さというのは、重回帰分析したら「相関ありです!」と大声で叫びたくなるくらい相関あり。

 
違う言い方をするとスウェットとパーカーは消耗品でなくてはいけません。四十過ぎたらね。袖ビローン首デローンになる前にゴミ箱ポイが正しい姿。それなら定年までパーカーOK。
 
袖ビローン首デローンが許されるのは、そうだなあ、、、ハタチまで。村上春樹さんが執筆されたノルウェイの森の序盤でヒロインの直子さんがよく洗い込まれたグレーのスウェットを着てて「僕」が感心してる場面を読んで、僕もよく洗い込まれたグレーのスウェットを着ている女の子と付き合いたいなあと悶々としてたのだけど、今思えば直子さんのスウェットだって相当伸び伸びだったと思うよ。だって洗ったら伸びるもの。もしかしたらときどき乾燥機にかけて縮めていたのかもしれないけど。1970年頃って乾燥機あったっけ?まあとにかく許されるのは直子さんくらいの年齢まで。

 

何が言いたいかというと、世のオシャレブランドのパーカー、高すぎる!平気で18900円とかするよ!!1万円軽々と飛び越えてくるとかほんともう意味わからない。パーカーなんて消耗品だってこれだけ理路整然と説明しているのに全然わかってくれない。日本に数台しかない編み機とかいいから。そんな機械使ったって伸びるものは伸びるから。

 
それでチャンピオンのパーカーってありなのかなって、ある日思った。
 
僕にとってというか僕の世代にとってのチャンピオンのパーカーってほんと小中学生の運動着というか。北関東で鼻水垂らしながらキックベースとかやっているシーンにベストマッチというか。どう考えても大人の着る服ではなかった。
 
でも今その地位を占めているのはナイキとかアディダスとか。今子どもの授業参観とか行っても、あの胸にドーンのチャンピオンマーク、全然見ない。たまたま見なかっただけかもしれない。でも、ピーンときた。「これ、バナリパ状態入ってないか」って。
 
バナナリパブリックって今でこそなんかお高くとまってるけど、僕が子どものころはヨーカドーのワゴン投げ売りと言えばバナリパだった。小学校のときのパジャマ代わりのやたらサイズのでかいTシャツの胸にヤシの木が描いてあったのがバナリパだった。
 

「ははーん、さてはチャンピオンもバナリパか!」と一人納得してオッシュマンズに向かったのです。

 
行ってみるとやはりビンゴ!あるある。チャンピオンのパーカー、あるある。オッシュマンズにあるということは四十のおじさんが着ていい服ということだ。ヤバい。やっぱり当たり。

 

いそいそとグレーのチャンピオン謹製パーカーの値札を引っ張り出しました。

 
15000円。もうほんとぶん投げようかと思った。バナリパにもほどがあるだろうと。どの口がそれを言うのかと。
 

怒りに震えながら店内を歩き回った。すぐ帰らないところが我ながら僕っぽい。有能な店員さんたちがチラチラとこっちを見ている気がする。

 

何度か深呼吸して冷静になろうとした。そもそもチャンピオンとはなにか。記号論的に述べよ。ええと、、、うん。値段高くはない。やっぱり高くない。俺、間違ってない。

 

落ち着いて再びチャンピオンの一角に戻る。結構チャンピオンで広く占められていることに気づく。あっちの棚もチャンピオン。こっちの棚もチャンピオン。

 

それで恐る恐る、順番に値札引っ張り出してみた。そしたらあったよ4800円のパーカー!!これこれ。チャンピオンといえばこれ。この5000円以下で収まる安心感。まさに洋服のチャンピオンや!

 

改めて見るとチャンピオンの15000円のやつ、確かに分厚い。4800円のやつがフィットネスクラブのヨガだとするなら、15000円はアメフトって感じ。なんかいろいろ説明書きもついてる。日本に数台の編み機とか使っているのかもしれない。知らないけど。

 

ついでに言うと、あの神々しいチャンピオンロゴも胸についてない。ちゃんと広げて確認したわけじゃないからイメージだけどたぶんついていない。

 

いやチャンピオンマークつけろよ。ドーンて。なに品質で勝負!感出してるの。もうほんと日本人的無印良品的価値観勘弁してほしい。もっとさ、バーンと行こうよ。いや、ラルフローレンのあれとか買わないけど。

 

脳内でハアハアしていると、そこへスルリとオッシュマンズの有能な店員さん(女性)。「実はビジネスマンの方にはこのモデルが一番出ているんですよ(コッソリと)」

 

僕は事あることにオッシュマンズの店員さんたちを有能有能言ってるけど、皮肉でもなんでもなく本当にそう思ってる。なにしろ声をかけるタイミングがメチャうまい。「つきまとわれる」と「背中を押してくれる」の違いをよーくわかっている。

 

買うと決めてからレジまでついてこないところをみると、販売ノルマとかないと思うのだが(本当のところは知らない)、その余裕がいい。かといってお高くとまっているわけでも放っておかれるわけでもなく。ラリったオウムのように「ごらんくださいませー」と繰り返すわけでもなく。こういうのはスタッフ教育でどうこうなるものではなく、採用基準がしっかりしているんだろう。まあ知らないけど。

 

よくぞ僕をビジネスマンと見破りましたね。いやいやいい歳したおっさんが働いてないとかヤバいですから。そんな会話を繰り広げながらLサイズに決めた。

 

この文章を読んでチャンピオンの4800円パーカーがほしくなる人がどのくらいいるかわからないけど、結構タイト目です。176cmの僕は普段Mサイズなんだけど、このパーカーはLでジャスト。試着推奨。